続・消えちゃえばいいのに

ある少人数用教室での授業中。プリントの裏に真剣に少女漫画を描きすぎた所以により、『それウザイんだけどやめてくんない!?』と、大声で指を指された少し人よりアレなあっちゃんの過去も、自分の暗い過去同様に消してあげて頂きたいですケンタウルス
静まり返る教室。ごめんごめんと半ベソりながら消しゴムを使うあっちゃん。ホワイトボードには理論と弧線。その日の昼飯はうどんに決定しつつあったオオタニ。

確かにあっちゃんは、教室に響き渡る勢いでシャーッ!!シャーッ!!と女の子の髪の毛を描いていた。どうだ金髪にカスタマイズだ。でも消すことはないのにな…とオオタニは悲しくなりもした。

あっちゃんの描く少女はキラキラとした瞳で唇は潤んでいた。あれはあっちゃんの心の中にいるのかい。ちょっとだけ覗かせてもらったよ。消すぐらいならオオタニにくれれば良かったんだ。
ごめんうそ。うどんで頭イッパイだった。いや正直に言うと、肩揺らして笑った。しかもここにその絵があればアップするし。

卒論提出日なのに、『修正液が使えないと思うと手が震える』と狼狽していたあっちゃん。意外と緊張しぃなんだね。手書きで50枚弱書き上げた努力は大いに賞賛するけど、世の中を見ればよ、PCという機械がもっと生活を便利にしてくれていたはずだが違ったかな?

夕暮れの交差点で石蹴りしていたあっちゃんを、自分は他意のない羨望の気持ちで見つめていた。いつまでもいつまでも猫目の琥珀月だけが彼女を見守り照らし続けていた。
『あっちゃん、寒いんだから早く帰んなよ…ッ!』
彼女はオレンジ色のコンペイトウとマシュマロでできた中央線に乗って学校までやって来ていた。今日もどこかで生きているだろうし、そして次はあなたの街にも現れるのかもしれないのです。

銀河系少女☆あっちゃん
:: 完 :: (二度と書かない)