あおいふぉとぐらふ

偏見ですが。関西の人っていつもえびせん?正式名称は知らないのですがえびの大判焼き?みたいなのを食べてる気がする。職場の人が、常にえびせん(ここではそうゆうことにする)をボリボリ食べてるのを見てそう思った。あーほらほらキーボードに粉が!ってゆう。
小二のときに大阪からきぃくんとゆう子が転校してきた。きぃくんは小柄で頑張りやで性根から優しい子で、オオタニとは正反対のタイプだったのだがなぜか仲良くなった。実際、きぃくんはキレイな言葉を使う子だったので、後になって大阪から来たのだと知った。大阪の言葉を使わなかった詳しい理由は知らない。
ある日、学校の帰りにきぃくんに誘われて家へ遊びに行くことに。出迎えてくれたきぃくんのお母さんは、『えらっさいー。』と言った。初めて聞くイントネーションであった。きぃくんは少しモジモジしながら母親を紹介してくれた。自分は閉鎖的な空間に生まれ育ちよその土地へは岐阜のおばあちゃんちに行くぐらいだったので、新しく聞く言葉は全部おばあちゃんの言葉と同じなのだった。そして、きぃくんの母親やお姉ちゃんの会話を聞いて、「テレビだ!」と思った。
きぃくんのお母さんは、『おばちゃんが美味しいもんこさえたるわー。』と言い、えびせんを持ってきて、おたふくソースをかけ青のりをぱらりとしたものを二枚ぱふぅと挟んでそれをくれた。えびせんをそのままでしか食べたことなかった自分は、こんなに美味しいおやつはないと思った。美味しくておかわりをすると、きぃくんは嬉しそうに『僕もこれが好き。』と笑った。寒い冬の時期だったので、そのあときぃくんのお母さんは温かいミルクティーをいれてくれて、そしておもむろにラム酒をどぼりとブチ込んだ。自分がオタオタしているときぃくんのお母さんは、『飲んだらええねん。』と言った。それどころか『足りんなら足そか?』と、さらに酒を入れようとしてきたので、やられる前に慌てて飲んだ。
数え切れないほどきぃくんの家に遊びに行ったが、「えびせんが食べたければきぃくんち」というほど、えびせんがあった。帰るときに必ずきぃくんは、『また遊びに来てねー。』と、優しい声で言った。
えびせんを見ながらそんなことを思い出し、選挙前の時期になるときぃくんの母ちゃんから電話がかかってくる。理由は一つだ。